【マインドフルネスとは】マインドフルネス瞑想の歴史・方法・効果について【まとめ】

コラム

近年、社会の中で直面するストレスへの対処法として、「マインドフルネス瞑想」を取り入れる人が増えてきています。

マインドフルネス瞑想は、「ストレスの軽減」「仕事能力の向上」「苦痛の改善」などの効果をもたらすと言われており、Google・Apple・ゴールドマンサックスといった世界的な有名企業が導入していることでも知られています。

この記事では、マインドフルネス瞑想の歴史・方法・効果について解説します。

マインドフルネスとは

「マインドフルネス」や「瞑想」という言葉は、神秘的・宗教的な色合いの強い奇術やトリックなどを連想させがちです。

ですが、マインドフルネスという言葉に宗教的な意味合いはなく、現代的なマインドフルネス瞑想の創始者であるジョン・カバット=ジン博士によると、「マインドフルネス=注意を集中すること」であるとされています。

私たちは今この瞬間を生きているにもかかわらず、その時間の多くを過去や未来に思いをはせることに費やしています。

瞑想は、過去・未来・その他の様々な事柄に拡散しがちな意識を現在の瞬間に集中させ、「注意を集中している状態=マインドフルネスな状態」を作り出す行為であるといえます。

マインドフルネス瞑想の創始者

瞑想の歴史は約5,000年前に遡り、仏教の創始者であるブッダも瞑想に取り組んでいたとされています。

近年になって、チベットや東南アジア諸国における多くの僧侶・導師が海外に移り住むとともに、西欧の若者たちが旅行でアジア地域に訪れる機会が増えたことをきっかけとして、世界中に広まりました。

瞑想はこれまで、仏教という枠組みの中で行われてきたものであると、一般的には考えられていました。

その瞑想を「注意に集中する普遍的な行為」として、仏教の枠組みを超えて多くの人たちに広めたのが、上述のジョン・カバット=ジン博士です。

カバット=ジン博士は、1979年にアメリカのマサチューセッツ大学医学部の中に「マインドフルネスに基づくストレス低減プログラム」を実施するセンターを設立しました。

このカバット=ジン博士によるセンター設立が、現在世界中で広く知れ渡っている「マインドフルネス瞑想」の始まりであるとされています。

以上のことをまとめると、「マインドフルネス瞑想の創始者はジョン・カバット=ジン博士であり、1979年に仏教の枠組みを基にして一般的な瞑想法として開始された」ということが出来ます。

マインドフルネス瞑想のやり方

カバット=ジン博士が設立したマサチューセッツ大学のマインドフルネスセンターにおけるプログラムでは、以下の瞑想法が実践されています。

・静坐瞑想法
・ボディスキャン
・ヨーガ瞑想法

・歩行瞑想法

以下で、初心者が自宅で瞑想を行うときの方法と、心構えについて説明します。

瞑想の練習(3分間呼吸法)

瞑想を始める際のトレーニングとして、3分間呼吸に集中するという方法があります。

瞑想の練習法である「3分間呼吸法」のやり方は以下の通りです。

1.椅子に座った状態で目を閉じ、力を入れずに背筋をまっすぐに伸ばす。
2.呼吸に注意を集中する。自然のリズムにまかせ、空気が出たり入ったりするのを客観的に観察する。
3.呼吸に注意を集中した状態を3分間続ける。

呼吸に注意を集中しようとすると、3分間のうちに意識が様々な事柄に移っていくことがわかります。

そして、3分間という短い間でも、呼吸に注意を集中しながら「何もしないでいる」ことが、いかに難しいことであるかを知ることが出来ます。

瞑想を続けていると、過去や未来といった様々な考え事に心を動かされることなく、何もしないで今この瞬間を生きる状態が訪れるようになります。

瞑想の心構え

マインドフルネス瞑想を行うにあたっては、以下の7つの態度が重要であるとされています。

1.自分で評価を下さないこと
2.忍耐強いこと
3.初心を忘れないこと
4.自分を信じること
5.むやみに努力しないこと
6.受け入れること
7.とらわれないこと

これら7つの態度を心に留めておくことが、瞑想を始めるにあたっての基礎となります。

【瞑想の始め方】マインドフルネス瞑想を行う上で重要な心構えについて

瞑想の呼吸法

瞑想を行うにあたって重要となるのは、「呼吸に注意を集中する」ことです。

人間は呼吸をすることなしに生きていくことが出来ず、私たちが何もしていない状態にあっても、呼吸はそこに存在しています。

そのため、呼吸に注意を集中することは、私たちが今この瞬間を生きることに気づくための助けとなります。

生とともにあるリズムとして、心臓の鼓動に注意を集中させることも効果的ですが、意識的にコントロールすることの出来る呼吸のほうが、より注意を集中させるのが容易であるとされています。

呼吸を感じ取る場所としては鼻孔・胸郭・腹部などがありますが、初心者が瞑想を行う場合には、鼻孔を通じて空気が出たり入ったりするのに注意を集中させると、比較的容易に瞑想を行うことが出来ます。

一方、瞑想を続けていくと、腹部をリラックスさせた状態で行う腹式呼吸が効果的であると感じられるようになります。

マインドフルネス瞑想に役立つ腹式呼吸のやり方・効果について

静坐瞑想法のやり方

座って行う静坐瞑想法は、マサチューセッツ大学マインドフルネスセンターにおけるプログラムの中心となる瞑想法です。

背もたれがまっすぐで足が床につく高さの椅子に座って行うか、床かクッションの上にあぐらを組んだ状態で座って行います。

静坐瞑想法の基本的なやり方は以下の通りです。

1.頭と首と背骨が一直線になるように座る。
2.肩の力を抜き、手は楽にして膝の上に置くか、親指の先が触れ合う程度に左右の指を組んだ状態にする。
3.鼻孔もしくは腹部を意識し、呼吸に注意を集中する。
4.心が呼吸から離れたと感じたら、その心を客観的に観察し、再び呼吸に注意を集中する。

以上の瞑想を1日1回最低10分行い、30分以上続けられるようになるまで時間を伸ばしていきます。

また、瞑想中は座っている姿勢に不快感を感じる瞬間も生じますが、その際はむやみに姿勢を変えようとせず、不快感をそのまま受け入れて観察するようにします。

不快感を客観的に観察できるようになることは、痛みや不安の中でも落ち着いていられる心を手に入れることに繋がります。

マインドフルネス瞑想の効果

ストレスの軽減

感受性が強くて傷つきやすい心を持つHSP(Highly Sensitive Person)という特性を持つ人たちが8週間にわたってマインドフルネス瞑想を行った結果、ストレスや社会的な不安といった感情が軽減され、自分を受け入れる力が強くなったという研究結果があります。

また、瞑想を通じて、時間の使い方や人間関係における慣習的な思い込みに気づくことによって、自分にとってストレスとなる行動を意識的に避けることが可能となります。

【HSPとは】5分でわかるHSPの基礎知識。特徴・適職・生きづらさの原因についてまとめました

仕事能力の向上

ただ慣習的に仕事を行っていると、目の前のことをこなしているだけで時間や労力が消耗し、精神的・時間的に追い詰められてしまうことがあります。

瞑想を行うと、自分が置かれている状況や果たすべき役割を客観的に捉えることができ、優先順位の高い仕事を選択的に行うことで、より能率的に仕事をこなすことが可能となります。

苦痛の改善

身体に慢性的な痛みを感じている患者が8週間のマインドフルネス瞑想を行った結果、61%の患者の痛みが半減したという研究結果があります。

肉体的・精神的な苦痛は、私たちが体験したことに対して、心が嫌悪感のある判断を下した際に生じます。

瞑想を通じて、価値観にとらわれることなく今この瞬間に注意を集中することが出来れば、私たちの体験を苦痛と切り離して受け入れることが可能となります。

マインドフルネス瞑想を体験できる施設・団体

以下の記事で、マインドフルネス瞑想の創始者であるカバット=ジン博士のプログラム(マインドフルネスストレス低減法)を体験できる施設・団体を載せてあります。

有資格講師の下でマインドフルネス瞑想を体験したいと考えている方は、以下の記事の「マインドフルネスストレス低減法を体験できる施設(団体)と料金」を参考にしてください。

マインドフルネスストレス低減法(MBSR)とは。瞑想プログラムの内容・施設・料金について

また、以下の記事ではマインドフルネスストレス低減法以外の瞑想プログラムを実施している教室・施設も紹介しているので、併せて参考にしてください。

【マインドフルネス】瞑想が体験できる教室・施設まとめ【東京・大阪・京都・千葉】

マインドフルネス瞑想の講師になるには

マインドフルネス瞑想(マインドフルネスストレス低減法)を正式に指導するためには、マサチューセッツ大学マインドフルネスセンターを始めとするアメリカの学術機関で資格を取得する必要があります。

以下の記事で、マインドフルネス瞑想の講師となるための方法について記載しているので、参考にしてください。

マインドフルネスストレス低減法(MBSR)の講師になるには。資格取得の方法(施設・課程・料金)について

また、その他の瞑想関連資格・講師養成講座については、以下の記事を参考にしてください。

【マインドフルネス】瞑想の講師(インストラクター)になるための講座・資格【まとめ】

マインドフルネス瞑想を知るための本(参考書籍)

以上で説明したことは、マインドフルネス瞑想の創始者であるカバット=ジン博士の執筆した「マインドフルネスストレス低減法(原題:Full Catastrophe Living)」という本の内容に基づいています。

マインドフルネス瞑想の具体的な実践法や効果についてさらに詳しく知りたい方は、「マインドフルネスストレス低減法」を参考にすれば、より進んだ理解を得られるかと思います。


マインドフルネスストレス低減法

おわりに

マインドフルネス瞑想は、心身の苦痛を和らげ、人生に幸福をもたらしてくれる行為であるといえます。

ですが、神秘的・宗教的な色合いが強いものではなく、その考え方は「今この瞬間に注意を集中する」という単純な方法に基づいています。

現代社会に生きる私たちは、人生を豊かにする様々な知識や情報を手に入れることが出来ますが、それらは同時に世界や自分自身に対する思い込みや誤解の原因ともなり得ます。

マインドフルネス瞑想は、そのような思い込みや誤解から私たちを解き放つと同時に、社会にあふれる知識や情報を、より良い社会生活を送るための武器として使う力を与えてくれるのだと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!