【HSPとは】5分でわかるHSPの基礎知識。特徴・適職・生きづらさの原因についてまとめました

HSPとは

「人の表情や態度の変化に敏感で、ささいなことでも傷ついてしまう。」

「他者が怒られたり悲しんだりしているのを見ると、自分のことのように苦しく感じる。」

「周りの人が考えていることや望んでいるものを、雰囲気で感じ取ることが出来る。」

という経験に思い当たる方はいないでしょうか?

一つでも思い当たったあなたはHSP(Highly Sensitive Person)かもしれません。

HSPとはアメリカの心理学者であるエイレン・N・アーロン博士によって提唱された概念です。

エイレン博士が執筆した『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。(原題:The Highly Sensitive Person)』という本によって世界中で認知されるようになりました。

ここでは、そんなHSPについてわかりやすく解説したいと思います。

  1. HSPとは「人一倍繊細で敏感な人たち」のことである
  2. HSPの特徴
    1. 感覚が鋭く、人の気持ちや様々な刺激に敏感である
    2. 内省的で、物事を深く考える傾向にある
    3. 共感力が強く、他者との境界がもろい
    4. 外部から様々な刺激を取り入れてしまうため、疲れやすい
    5. 自己肯定感が低く、他者に利用されてしまうことも
  3. HSPが社会で生きづらさを感じる原因
  4. HSPの生きづらさを克服するための対処法
    1. 完璧な自分を求めすぎない
    2. 責任を自分一人で背負い込まない
    3. 他者との境界を設ける
    4. 自分の思慮深さを理解する
  5. HSPが自信を持って社会で活躍するためには
  6. HSPに向いている仕事・適職
    1. 豊かな感性や想像力を活かせるアーティスト(音楽家・画家・小説家など)
    2. 人の悩みや不自由に寄り添う仕事(心理カウンセラー、ソーシャルワーカーなど)
    3. 動物や植物に関わる仕事(酪農家、農家、フラワーデザイナーなど)
    4. 人に物事を教える仕事(教師、塾講師、インストラクターなど)
    5. 規則的な生活リズムを維持しやすい仕事(公務員、事務員、薬剤師など)
    6. 働く時間や場所を自分で決められる仕事(在宅ワーク、自営業、プログラマーなど)
  7. HSPに向いてない仕事・避けたほうが良い仕事
    1. 人付き合いの多い仕事(接客業など)
    2. 競争が激しい仕事(営業職など)
    3. 生活リズムが一定しない仕事(運送業など)
  8. HSPの診断テスト
  9. 刺激追求型HSPとは
  10. まとめ

HSPとは「人一倍繊細で敏感な人たち」のことである

HSPは、人一倍繊細で人の気持ちや光・音・香りなどの刺激に敏感な人たちを表す概念です。

全人口の15~20%は生まれつきこの特性を持つといわれています。

人間だけでなくサル・犬・猫といった動物までも一定割合でこの特性を有していることから、HSPにみられる特性は生物学的な生存戦略によるものであると考えられています。

注意深く、物事の小さな変化にもよく気づくHSPは、歴史を通して私たちの社会におとずれる危機を敏感に察知し、その回避に貢献してきました。

一方でHSPの敏感で注意深い特性は、「内気」や「神経質」といった言葉と共にネガティブなイメージと結び付けられやすく、社会では様々な誤解とともに受け止められる傾向にあります。

ですが、HSPは思慮深く繊細で豊かな感性を持った人たちであり、私たちの社会にとって必要不可欠な存在であるといえます。

HSPは遺伝する?私たちの社会に繊細・敏感な人が必要な理由とは

HSPの特徴

以下に、HSPの代表的な特徴を挙げましたので参考にしてください。

HSPの四大特徴である「DOES」とは?

感覚が鋭く、人の気持ちや様々な刺激に敏感である

HSPは人の表情や態度のささいな変化にもよく気が付きます。

そのため、他者の退屈な表情や人を見下した態度などを敏感に察知してしまい、傷ついてしまうこともしばしばあります。

また、激しい光や大きな音、強い味や香りなどにも敏感で、突然の物音やカフェイン・アルコールなどに強く反応してしまう人も多いといわれています。

内省的で、物事を深く考える傾向にある

HSPの脳は物事を深く処理する能力に長けています。

そのため、想像力が豊かで、一日中考え事をしていても飽きない内省的なところがあります。

また、多彩な観点から物事を考えることが出来るので、物事への偏見が少なく強い倫理観を持ちます。

共感力が強く、他者との境界がもろい

HSPは共感力が強く、困っている人を放っておけない優しさを持ち合わせています。

人の気持ちになって真剣に物事を考えることが出来る良心的な心は、HSPが持つ大きな長所の一つです。

一方、他者との境界がもろいため、人の苦しみや問題を自分のことのように抱え込んでしまうこともあります。

外部から様々な刺激を取り入れてしまうため、疲れやすい

外界から様々な刺激を取り入れてしまうHSPは、旅行・引っ越し・転職といった環境の変化から人一倍強いストレスを感じてしまいます。

そのため、周囲と同じスケジュールで行動している場合でも、他の人たちよりも疲れやすい傾向があり、無理をしすぎて体調を崩してしまうことがあります。

また、人混みやパーティなど多人数に囲まれる状況では、気の遣い過ぎで疲弊してしまうこともあります。

自己肯定感が低く、他者に利用されてしまうことも

HSPは良心的で物事を思慮深く判断する傾向があるため、むやみに他者を否定したり責めたりすることは出来ません。

そのため、物事がうまくいかなかったときには一人で責任を背負い込みやすく、それが自己肯定感の低さにつながってしまいます。

他者に共感する良心的な心と自信のなさにつけこまれ、周りの人に利用されて傷ついてしまうこともあります。

HSPが社会で生きづらさを感じる原因

全人口の15~20%を占めるHSPですが、裏を返せば8割ものHSPでない人たちに囲まれて生きていることになります。

そのため、社会の常識やルールも「外向的」や「競争的」といった特徴が評価されるように働いている場合が多く、HSPの持つ「思慮深さ」や「きめ細かさ」といった美点が過小評価されがちです

「外向的」「競争的」であることが評価される現代社会の価値観の下で、HSPは自らの持つ美点への自信を持つことが出来ず、少数派であることと相まって社会の主流に乗りづらい実状があります。

また、その細やかな仕事ぶりと良心的な心につけこまれて他者に利用されてしまい、余計に社会への不信感を強めてしまうこともあります。

HSPは病気?HSPに症状・治療法・診断書が存在しない理由

HSPはうつ病になりやすい?自己肯定感が低くなりがちな理由とその対策について

HSPの生きづらさを克服するための対処法

完璧な自分を求めすぎない

細かな点にもよく気が付くHSPは、自分の些細な欠点を見過ごすことが出来ず、それを克服しようとして過剰に自分を追い込んでしまうことがあります。

ですが、「完璧な自分」というのは私たちが持つ価値観の下で作られたイメージに過ぎず、必ずしも他者や社会がそのイメージに同調し、敬意を払ってくれるわけではありません。

欠点を克服しようと努力するのは良いことですが、過度に自分を追い込むことをせず、自分の好きな面に目を向けてあげることが、生きづらさの解消に大きく役立ちます。

責任を自分一人で背負い込まない

物事に失敗したときや人間関係が上手くいかないとき、良心的で他者を責めることが苦手なHSPは、その責任を自分一人で背負い込みがちです。

ですが、あらゆる事柄において「誰か一人が100%悪い」ということはあり得ません。

自分の責任を認められる良心はHSPの美点ですが、他者の責任や自分では対処できない影響を冷静に見極めることが、過度な気持ちの落ち込みを防ぐためには必要であるのかもしれません。

他者との境界を設ける

困っている人の気持ちに共感できるHSPの優しさは、多くの人を惹きつける素晴らしい長所です。

ですが、その共感力の強さが原因となって、自分には関係のない問題事を抱え込んでしまったり、相談事や頼み事の多さに疲れ果ててしまうことがあります。

周囲に振り回される傾向の強いHSPは、気持ちの上で他者との境界を設け、自分軸で物事を考える意識を持つと良いかもしれません。

自分の思慮深さを理解する

他者の気持ちを深く考えることの出来るHSPは、人をむやみに傷つけたり、不安にさせるような言動・行動を取ることがほとんどありません。

ですが、周囲も自分と同じように人の気持ちに気を配っていると考えてしまうと、他者の何気ない言動や行動に深く傷ついてしまうことがあります。

他者への気配りに長けたHSPは、ほとんどの人が自分ほど周囲に気を遣っていないことを理解し、他者の言動や行動を重く受け止めすぎない意識を持つことも大切です。

HSPが自信を持って社会で活躍するためには

上で述べたように、HSPが生きにくさを感じてしまう原因には、「思慮深さ」や「きめ細かさ」といったHSPの美点が、社会において評価されにくいということが挙げられます。

そのため、HSPが安心して生活を送るためには、HSPの持つ美点が正しく評価される場所を見つけることが重要になります。

HSPには「思慮深さ」「きめ細かさ」「強い倫理観」「豊かな感受性」といった様々な美点があります。

これらの美点を生かせる仕事や趣味を見つけることが、HSPが自信を持って社会で活躍するための鍵となります。

HSPに向いている仕事・適職

以下に、HSPの美点を生かせる仕事・HSPがストレスを感じにくい仕事の例を挙げました。

仕事探しやキャリア形成の参考にしてください。

【まとめ】HSPの長所・才能を生かせる仕事・おすすめの適職5選

豊かな感性や想像力を活かせるアーティスト(音楽家・画家・小説家など)

感受性が強く想像力の豊かなHSPは、芸術的才能に恵まれた人が多くいます。

そのため、音楽家・画家・小説家といった芸術的な感性を必要とする仕事は、HSPにとって適職の一つであるといえます。

組織に縛られることなく働けるのも魅力ですが、才能があっても成功するとは限らない厳しい世界でもあります。

人の悩みや不自由に寄り添う仕事(心理カウンセラー、ソーシャルワーカーなど)

HSPは人の痛みに共感することの出来る優しい心を持つため、心理カウンセラーやソーシャルワーカーといった人の悩みや不自由に寄り添う仕事に向いています。

達成感や貢献感といった精神的な満足を重視するHSPは、直接的に人の役に立てるこれらの仕事から大きな幸福感を得ることが出来ます。

ただし、人の人生を大きく左右する仕事でもあるため、強い責任感を持って取り組む必要があります。

動物や植物に関わる仕事(酪農家、農家、フラワーデザイナーなど)

過度な人間関係に疲弊しやすいHSPにとって、必ずしも言葉によるコミュニケーションを必要としない動物や植物は、より安心して向き合える相手であるといえます。

HSPは動物や植物のささいな変化を敏感に感じ取り、献身的に世話をしてあげることが出来るので、動植物にとって好ましいパートナーになれるでしょう。

これらの仕事は命を預かるものとして強い責任感を要するとともに、働く時間や場所は動植物に合わせなければなりません。

人に物事を教える仕事(教師、塾講師、インストラクターなど)

他者の求めるものを敏感に察知出来るHSPは、人に物事を教えることも得意です。

勉強に限らず高いスキルを持った趣味や特技があれば、それらを生かして働くことも出来ます。

ただし、不特定多数の人と接することは避けられないので、人付き合いに自信のない方にとっては難しいかもしれません。

規則的な生活リズムを維持しやすい仕事(公務員、事務員、薬剤師など)

環境の変化に敏感で疲れやすいHSPにとって、規則的な生活リズムが維持できることは仕事選びにおける重要なポイントです。

また、HSPは物事をコツコツと積み重ねて成果を出すことに長けているので、公務員や事務員といった仕事には大きな適性があるといえます。

ですが、規則的に働ける仕事はAIに代替されやすい側面もあるので、人間にしか出来ないスキルを磨かなくてはなりません。

働く時間や場所を自分で決められる仕事(在宅ワーク、自営業、プログラマーなど)

在宅ワークや自営業といった仕事は自分の生活リズムを維持しやすく、人付き合いもある程度自分で調整することが出来ます。

また、これらの仕事は人に監視されることも少ないので、過度なストレスを受けずにHSPの能力を発揮することが出来ます。

安定した収入を得るためには努力が必要ですが、努力した結果が収入として正当に評価される仕事でもあります。

【HSPの適職】HSPに向いている仕事は在宅ワーク。その理由と代表的な職種をご紹介します

HSPに向いてない仕事・避けたほうが良い仕事

HSPはそのきめ細かさや豊かな感受性を生かせれば、仕事で大きな成果を上げることが出来ます。

一方で、HSPにはその能力を発揮しにくかったり、ストレスをため込んでしまいやすかったりする仕事も存在します。

以下では、HSPに向いてない仕事と避けたほうが良い仕事をご紹介します。

人付き合いの多い仕事(接客業など)

人の求めている物事によく気が付くHSPは接客業も上手にこなすことが出来ますが、同時に気を使いすぎて疲弊してしまいます。

また、人の要求に応えようとして無理をしすぎてしまったり、心無い言葉や態度に人一倍傷ついてしまうこともあります。

人間関係に翻弄されてストレスを抱え込みやすいHSPは、なるべく人付き合いの少ない仕事・職場を選んだほうが良いと思われます。

競争が激しい仕事(営業職など)

競争が激しかったり厳しいノルマが設定されていたりすると、HSPは仕事を通して大きなストレスを抱え込んでしまいます。

自己管理能力の高いHSPですが、他者に干渉されると自分のペースを乱しやすく、その能力を存分に発揮できなくなってしまいます。

また、良心的なHSPは他者を蹴落としてまで競争に没頭することが出来ず、逆にその優しさと能力を他者に利用されてしまうこともあります。

生活リズムが一定しない仕事(運送業など)

残業・夜勤・出張などが多く、生活リズムが一定しない仕事もHSP向きとは言えません。

環境の変化に敏感で疲れやすいHSPは、十分な回復時間と落ち着ける場所がないと、人並み以上に疲れをため込んでしまいます。

自分の生活リズムを維持することが、HSPの能力を発揮するうえではとても重要です。

HSPの診断テスト

HSPのための診断テストには様々なものがありますが、日本人向けの信頼できる診断テストとして、「感情心理学研究」という学術雑誌に掲載されている「Highly Sensitive Person Scale 日本版(HSPS-J19)」があります。

以下の記事に、日本人向けのHSP診断テスト(HSPS-J19)を載せてますので、参考にしてください。

日本人向けのHSP診断テスト【自分で出来るセルフチェック】

刺激追求型HSPとは

刺激に対して敏感なHSPですが、その約30%は刺激に対して強い欲求を持つHSS型HSP(刺激追求型HSP)であると言われています。

刺激に対する敏感さと志向性を併せ持つHSS型HSPは、刺激の強い環境に自分を追い込んでしまう危うさを持つ一方、その創造性とチャレンジ精神によって社会に大きな革新をもたらす存在ともなり得ます。

HSS型HSPに関しては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

【まとめ】HSS型HSPの特徴・診断・才能を生かせる仕事について

まとめ

繊細な心の持ち主であるHSPの中には、様々な生きづらさを抱えながら生活している人が多くいます。

しかし、HSPは決してネガティブな特性ではなく、高い感受性や豊かな想像力といった数々の美点も持ち合わせています。

私たちは自分の特徴と現代社会の実状をよく理解したうえで、HSPの強みや美点を生かしながら社会と関わっていくことが大切だと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

もっとHSPについて知りたい人は:
自分がHSPだと思ったらまず読んでほしいおすすめの本4選

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