マインドフルネス瞑想に役立つ腹式呼吸のやり方・効果について

コラム

私たちは生まれた時から欠かさず呼吸を続けており、呼吸は生きていることと切っても切り離せない関係にあります。

普段の生活で呼吸が意識されることは多くありませんが、瞑想では呼吸に意識を向けることにより、私たちが生きている今この瞬間に注意を集中することが重要となります。

ここでは、マインドフルネス瞑想を行う上で役立つ腹式呼吸のやり方・効果について説明します。

【マインドフルネスとは】マインドフルネス瞑想の歴史・方法・効果について【まとめ】

マインドフルネス瞑想における呼吸の重要性

呼吸に注意を集中することは、マインドフルネス瞑想において重要な意味を持ちます。

私たちが普段の生活において呼吸を意識することは多くありませんが、呼吸は常に私たちの人生とともに存在しています。

そのため、意識していなくともそこにある呼吸に意識を向けることは、私たちが生きている今この瞬間に注意を集中させる上で大きな役割を果たします。

生とともにあるリズムとして、心臓の鼓動に注意を集中させることも効果的ですが、意識的にコントロールすることの出来る呼吸のほうが、より注意を集中させるのが容易であるとされています。

呼吸を感じ取る場所としては鼻孔・胸郭・腹部などがありますが、初心者が瞑想を行う場合には、鼻孔を通じて空気が出たり入ったりするのに注意を集中させると、比較的容易に瞑想を行うことが出来ます。

一方、瞑想を続けていくと、腹部をリラックスさせた状態で行う腹式呼吸が効果的であると感じられるようになります。

腹式呼吸とは

心臓や肺などが位置する胸部と、胃や腸などが位置する腹部の境界となっているのが横隔膜です。

その横隔膜の上下運動によって行われる呼吸を、「腹式呼吸」と呼びます。

傘状の筋肉で出来ている横隔膜は、収縮すると体の低い位置に下がります。

すると、肺のある胸部にスペースが出来るので、肺に空気を取り入れることが可能となります。

また、横隔膜が弛緩すると体の高い位置に戻り、肺の中の空気が体外に出ていきます。

このように、腹式呼吸では、横隔膜の上下運動が肺への空気の出入りをコントロールします。

腹部の筋肉が緊張して固くなっていると、横隔膜が低い位置に下がる時の妨げとなり、腹式呼吸が上手に行えません。

そのため、腹式呼吸を上手に行うためには、全身をリラックスさせた状態にすることが重要となります。

腹式呼吸のやり方

腹式呼吸が自然に出来るようになるためには、仰向けに寝た状態で練習するのが効果的です。

まず、仰向けになった状態で腹部に手のひらを載せます。

リラックスして呼吸を行い、腹部が上下にゆっくりと動いているかどうかを確認します。

息を吸い込んだ時に腹部に置いた手のひらが上がり、吐き出した時に下がっていれば、腹式呼吸が出来ていることになります。

息を吸い込んだ時に腹部が上に向かって膨らむのは、体の低い位置に下がった横隔膜が腹部の内臓を圧迫し(仰向けになった状態では前後運動をしている)、押し出された内臓が上部にせり上がるためです。

腹式呼吸の効果

腹式呼吸は腹部の筋肉が緊張している状態では行えないため、腹式呼吸を意識することにより、自然と全身をリラックスさせることが出来ます。

また、腹式呼吸は横隔膜の上下運動によって胸部の容量を大きく変化させるため、一回の呼吸で肺を出入りする空気の量が多くなり、深く・ゆっくりとしたリズムで呼吸を行うことを可能にします。

深く・ゆっくりとしたリズムの呼吸は、心を落ち着かせ、体をさらにリラックスさせるという相乗効果をもたらします。

また、横隔膜の運動を通じて腹部の内臓を刺激することにより、血液循環を改善したり、自律神経を活発にさせる効果もあると言われています。

おわりに

以上のように、マインドフルネス瞑想を行うにあたって、私たちが生きる上で欠かせない呼吸に意識を向けることは、今この瞬間に注意を集中するための鍵となります。

特に、全身をリラックスさせた状態で行う腹式呼吸は、深く・ゆっくりとしたリズムの呼吸をもたらします。

そのため、腹式呼吸とともにある今この瞬間に注意を集中することによって、マインドフルネス瞑想は心の落ち着きを手に入れる上で、さらに実りあるものとなることが予想されます。

呼吸は私たちが普段から意識せずに行っていることですが、マインドフルネス瞑想を通して呼吸に意識を向けるようになると、私たちと呼吸の関係性が変化します。

瞑想を行うと、呼吸は生存に必要なただの空気の出入りではなくなり、今この瞬間に注意を集中し、自分をよりよく知るための導き手となります。

私たちが普段行っている呼吸も腹式呼吸も、意識しなくても行える単純な行為ではありますが、その呼吸に意識を向けることこそが、私たちの人生を豊かにしてくれる可能性を秘めているのだと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

参考文献

以上で説明したことは、マインドフルネス瞑想の創始者であるジョン・カバット=ジン博士の執筆した「マインドフルネスストレス低減法(原題:Full Catastrophe Living)」という本の内容に基づいています。

マインドフルネス瞑想の呼吸法についてさらに詳しく知りたい方は、「マインドフルネスストレス低減法」を参考にしてください。


マインドフルネスストレス低減法