「繊細さ」や「内向性」といったHSPの特性は、競争的な社会では評価されづらい傾向にあります。
そのため、職場で働きづらい思いをしたり、自信を持って仕事をすることが出来ないHSPの方は、多くいるのではないでしょうか。
ですが、「高い感受性」「きめ細かさ」「思慮深さ」といった数々の長所を持ったHSPは、自分に合った働き方さえ見つけられれば、社会に大きな貢献を果たすことが出来ます。
近年知名度が高まっている在宅ワークは、HSPの才能や能力を存分に発揮することの出来る働き方です。
この記事では、HSPに在宅ワークという働き方をおすすめする理由と、在宅でも出来る代表的な仕事について解説します。
HSPの働き方として在宅ワークをおすすめする理由
人付き合いに悩まされることがない
HSPが仕事で働きづらさを感じる最大の理由が、職場での人間関係ではないでしょうか?
一見良好に見える人間関係でも、実は無理してストレスをため込んでしまっているのが、人付き合いにおいてHSPが抱える悩みの特徴です。
良好な人間関係を維持しようと完璧な自分を演じてしまったり、人付き合いのためにプライベートを犠牲にしてしまったりすると、自分でも知らないうちに疲労がたまってしまいます。
在宅ワークでも人間関係は生じますが、ほとんどの連絡はメッセージのやり取りで済ませることができ、プライベートでの付き合いを強要されることもありません。
人間関係から生じるストレスから解放されることは、HSPが仕事を長く続ける上で最も重要ではないかと思います。
自分の生活リズムに合わせて働くことが出来る
刺激に対して敏感で、物事を深く考えすぎてしまうHSPは、人よりも疲れを貯め込みやすい傾向にあります。
そのため、社会で求められる生活リズムに合わせて働いていると、自分でも知らないうちに疲労やストレスが蓄積し、心身ともに疲れ果ててしまうことがあります。
在宅ワークであれば、組織の勤務時間に合わせて生活する必要も、通勤に時間を費やす必要もなく、自分の体調やペースに合わせて働くことが出来ます。
また、残業や飲み会などで自分の生活リズムを乱される心配もありません。
以上のように、在宅ワークは疲れやすいHSPでも無理なく続けられる働き方であるといえます。
コツコツと作業を積み重ねれば収入が増える
HSPは有力者に取り入ったり、競合相手を蹴落としたりするような、政治的な振る舞いが得意ではありません。
そのため、会社での出世競争などでは不利になりやすく、仕事の能力がなかなか収入に反映されにくい傾向があります。
しかし、在宅ワークの場合は、コツコツと作業を積み重ねることで収入を増やすことができ、信頼の獲得にもつながります。
仕事上のやり取りがメッセージだけで済んでしまう在宅ワークだからこそ、HSPの誠実な仕事ぶりが正当に評価されやすいといえます。
高い感性や思考能力を生かせる
高い感性や思考能力を持っているHSPですが、人に見られているときや焦らされているときなどは、それをうまく表現できないことがあります。
ですが、在宅ワークは人に見られることなく自分のペースで働くことが出来るため、HSPの高い感性や思考能力を存分に発揮させることが出来ます。
人前に立つことが苦手なHSPであっても、ライティングやデザイン制作といった在宅ワークを行うことによって、文章や創作物を通して自分を表現することが可能です。
将来のための備えになる
仕事の場で働きづらさを感じやすいHSPは、人間関係などが原因で仕事が長続きしないことも多く、中には何度も転職を繰り返してしまう人もいます。
そして、そのような人の中には、自分の将来に不安を覚えている方も多くいるかと思います。
在宅ワークはHSPにとって長続きしやすく、コツコツと作業を積み重ねることで、継続的にスキルや業績を伸ばすことの出来る働き方です。
そして、高いスキルや業績があれば正当に評価され、収入を増加させることが出来ます。
また、在宅ワークはスキマ時間でも働くことが出来るため、副業として始めれば収入の支えにもなります。
「長続きする」「スキル・業績が伸ばせる」「副収入にもなる」という3点は、将来に不安を抱えるHSPにとっても心強い、在宅ワークの魅力であるかと思います。
在宅ワーカーとして働く上での注意点
在宅ワークはHSPにとって大きな魅力のある働き方ですが、注意すべきデメリットもあります。
以下では、HSPが在宅ワーカーとして働く上で、注意すべきことを挙げていきます。
初心者のうちは十分な収入が得られない
在宅ワークの中でも最も人気があり、案件数も豊富なのが「Webライティング」です。
未経験者でも気軽に始められるのがWebライティングの魅力ですが、「初心者のうちは十分な収入が得られない」というデメリットがあります。
以下、初心者が在宅ライターを始めてから5ヶ月目までの収入例です。
Kさん(主婦) | Yさん(主婦) | |
1ヶ月目 | 53,103円 | 60,000円 |
2ヶ月目 | 141,331円 | 100,000円 |
3ヶ月目 | 151,196円 | 160,000円 |
4ヶ月目 | 159,305円 | 200,000円 |
5ヶ月目 | 249,850円 | 320,000円 |
(参考:在宅ライターの収入)
上の表から、在宅ライターとして生計を立てるための十分な収入を得るためには、少なくとも3ヶ月以上の経験が必要であることがわかります。
一方で、高いスキルと業績を持っていれば、「在宅ワークでも正社員以上の収入を稼ぐことは可能」であることも、上の表は示しているといえます。
これから本格的に在宅ワークを始める方には、別の収入源(本業・アルバイト・貯金など)も用意しておくことをおすすめします。
税金・保険料の負担が大きい
企業に所属しながら在宅ワークを行う場合は別として、フリーランスの在宅ワーカーとして働く場合には、「正社員と比べて税金・保険料の負担が大きくなる」ことを覚悟しなければなりません。
また、自分で確定申告を行い、所得税を納めなければならない点も、フリーランスの在宅ワーカーとして働く上で面倒となることの一つです。
フリーランスの在宅ワーカーとして生計を立てるためには、月々に支払うべき税金・保険料の金額を考慮に入れた上で、十分な収入を確保する必要があります。
以下の記事で、フリーランスが支払うべき税金・保険料の金額を月収別にまとめてあるので、参考にしてください。
フリーランスとして生計を立てる収入の目安は?必要な税金・保険料を月収(年収)別に解説します
HSPにおすすめの在宅ワーク
Webライティング
Webライティングは在宅ワークの中でも最も一般的な仕事です。
コツコツと地道に作業すること出来るという点では、物事のプロセスを大切にするHSP向きの仕事だといえます。
また、Webライティングは読者が求める情報をわかりやすく伝える必要があるため、HSPの「高い共感力」や「情報処理能力」を生かすことが出来ます。
ブログ記事などを執筆するWebライティングは、インターネット広告と非常につながりの深い仕事です。
インターネット広告の世界は今後大きく発展することが確実視されており、それに伴ってWebライターの需要も今後ますます高まることが予想されます。
そのため、Webライティングのスキルを磨くことによって、Webメディアの専属ライターとして登用されたり、自分のブログが収入源となる可能性も開けてきます。
アンケートや体験談の投稿など、スキマ時間に行える簡単な案件も多数あるので、未経験の方が在宅ワークを始める上では、最もおすすめ出来る仕事です。
Webライティングを始めるなら
Webライティングの案件を扱っているクラウドソーシングは多数ありますが、中でも利用者数・案件数ともに豊富なのが、「クラウドワークス」と「ランサーズ」です。
クラウドワークスとランサーズはどちらも日本最大級のクラウドソーシングで、在宅ワークを始めるならまず登録しておきたいサービスであるといえます。
また、在宅ワーク未経験の方には、「サグーワークス」もおすすめです。
サグーワークスはライティングに特化したクラウドソーシングで、依頼者と直接やり取りをせずに、担当者の指示の下で仕事を進めることが出来ます。
初心者のうちはサグーワークスを、長期的にはクラウドワークスやランサーズをメインに仕事を行うのが、これから在宅ワークを始める方におすすめ出来る働き方です。
・クラウドワークス:日本最大級のクラウドソーシング
・ランサーズ:日本最大級のクラウドソーシング
・サグーワークス:ライティング特化型クラウドソーシング(初心者におすすめ)
デザイン・ハンドメイト制作
HSPは芸術的な才能に恵まれていると言われており、中にはデザインやハンドメイドの制作を得意としている方も多くいると思います。
クリエイティブな分野で生計を立てることは容易ではありませんが、インターネット上のサービスを利用すれば、趣味や特技を収入源にするとともに、自分の創作活動を世間に認知させることが出来ます。
HSPが仕事を長続きさせる上で最も重要なのは、「人間関係によるストレスを少なくすること」ですが、「興味のある分野で働くこと」も同じように大切な意味を持ちます。
専業として主な収入源にするのは大変かもしれませんが、インターネット上のサービスを利用して趣味や特技から副収入を得ることは、長期的にHSPの生きづらさを大きく改善させてくれるかと思います。
デザイン・ハンドメイド制作を始めるなら
「ココナラ」と「SKIMA
」は、イラスト・似顔絵・ロゴといった、デザイン制作に関する仕事の依頼を受注することが出来るサービスです。
自分から案件に応募するのではなく、クライアントがサービスを探して依頼する形式なので、副業として細かく稼ぐのに適しています。
また、ココナラやSKIMAで業績を積み上げれば、クラウドワークスやランサーズでの案件獲得にも有利に働きます。
ハンドメイド制作で収入を得たい場合は、「BASE」の利用をおすすめします。
BASEはオリジナルのネットショップを無料で簡単に作ることの出来るサービスです。
メルカリといったフリマアプリとは違い、自分のオリジナルブランドとして商品を販売することが出来るので、固定客を増やして収入を安定化させるのに適しています。
また、上述の「クラウドワークス」と「ランサーズ」でも、ロゴデザインやイラスト制作といった案件を、主にコンペ形式で扱っています。
・ココナラ:自分の得意なスキルを販売できるサービス
・SKIMA:イラスト制作に特化したスキルシェアサービス
・BASE:オリジナルのネットショップを開業できるサービス
プログラミング
プログラマーを始めとするITエンジニアリング関連の仕事は、在宅ワークという働き方が最も進んでいる職業の一つです。
他の在宅ワークよりも高い報酬を得られる点が魅力で、フリーランスとして活躍するプログラマーの半数以上が年収400万円以上・約3分の1は年収700万円以上を稼ぎ出しています。(参考)
一方で、未経験でも案件を獲得できるWebライティングとは異なり、プログラミング初心者がいきなり在宅案件を獲得することは、かなり難しいといえます。
そのため、未経験者が在宅のプログラミング案件を獲得したい場合には、「独学」「IT企業への就職」「プログラミングスクール」を通して、プログラミングの経験を積む必要があります。
プログラミングを始めるなら
現在、ITエンジニアの需要が高まっていることもあり、数多くのプログラミングスクールが設立されています。
なかでも、「CodeCamp」は受講者数が最も多く、「LINE」や「ニトリ」といった有名企業も研修で利用する、日本最大手のオンラインプログラミングスクールです。
40分間の無料体験レッスンを実施しているので、入校を決める前にレッスンの雰囲気を把握しておくのがおすすめです。
「GEEK JOB」は未経験からの転職率が95%以上という実績を持つ、プログラマーのための就職支援サービスです。
面接のロールプレイングといった就職支援だけでなく、無料のプログラミング学習支援も行っています。
また、在宅のプログラミング案件は、上述の「クラウドワークス」や「ランサーズ」の他に、「クラウドテック
」でも見つけることが出来ます。
クラウドテックは、クラウドワークスが運営している「フリーランスエンジニア専門の求人情報サービス」です。
「リモート案件」や「未経験可の案件」が多数掲載されているので、これから在宅プログラマーとなりたい人が登録すべきサービスであるといえます。
・CodeCamp:日本最大手のプログラミングスクール
・GEEK JOB:未経験者からプログラマーになれる就職支援サービス
・クラウドテック:ITエンジニア特化型クラウドソーシング(未経験でも登録可)
【HSPの適職】未経験から在宅プログラマーになるには。きめ細やかなHSPはプロラミングに向いている
おわりに
人間関係のストレスに煩わされず、自分の生活リズムを維持しながら働ける在宅ワークは、HSPの持つ能力を存分に発揮することの出来る適職です。
在宅ワークはすでに一般的な働き方となりつつあり、これからはもっと拡大していくことが予想されます。
始めてすぐに大金を稼げるような仕事ではありませんが、ストレスなく働くことができ、HSPにとって長続きしやすい働き方であると思います。
また、地道にコツコツと続けていけば、スキルや業績に応じて十分な収入を手にすることも可能です。
現在、働きづらさを抱えているHSPの方は、将来への備えとして出来る範囲から、在宅ワークを始めることをおすすめします。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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