繊細で感受性が強いことを特徴とするHSPの中には、人間関係に疲れてしまい「一人になりたい」という気持ちになる方も多くいるかと思います。
ここでは、HSPが人間関係に疲れてしまう原因を考察し、それを改善するための対処法について述べたいと思います。
HSPが人間関係に疲れる原因
刺激に敏感でストレスを感じやすい
HSPは光・音・匂いといった刺激に人一倍敏感で、それらに対してストレスを感じやすい傾向があります。
そのため、周囲の人たちが気にならないような些細な刺激でも、HSPにとってはストレスの原因となってしまうことがあります。
一人でいる場合には疲れにくいペースを維持しやすいのですが、大勢で行動していると、周囲の人たちよりも一層強い疲れを感じてしまいがちです。
そして、多くの人がこなしている人付き合いのペースに合わせづらくなり、それが人間関係に疲れる原因となってしまいます。
周囲の期待に応えようと頑張りすぎてしまう
HSPは感受性が強く、他者の考えていることや求めているものを直観的に感じ取る能力に優れていると言われています。
そのため、自分に対する周囲の期待も敏感に感じ取り、自分のことを差し置いてでもそれに応えようと頑張りすぎてしまうことがあります。
周囲の期待に応えようとして努力することは、決して悪いことではありません。
ですが、周囲の人たちに求められている自分になることは、自分の意見や要望を表に出せない原因となり、HSPの心と体を疲れさせてしまうことがあります。
人付き合いが広がりやすい
HSPは他者の痛みがわかる高い共感性を持っており、思いやりを持って人と接することに長けているかと思います。
そのため、人を傷つけたり不快にさせることに慎重で、他者の誘いや頼み事を断りにくい傾向があります。
そして、そのようなHSPの優しさが人を惹きつけ、人間関係が自分のキャパシティー以上に広がってしまうことがあります。
ですが、HSPは周囲のペースに合わせると疲れやすい特徴も持つため、人付き合いの多さがストレスの原因となってしまいます。
他者の言動や態度に傷つきやすい
感受性が強く、物事を深く考える傾向にあるHSPは、他者の些細な言動や態度に深く傷ついてしまうことがあります。
その時にたまたま機嫌が悪かったり、HSPの心を傷つける意図がない言動や態度であったとしても、人に傷つけられる体験が重なると、人付き合いに対してオープンになれなくなってしまうかもしれません。
また、必ずしも悪いことではありませんが、このことは他者の気持ちを過度に気遣う原因ともなり得ます。
人付き合いに傷つきやすく、他者も傷つけまいと必要以上に気を遣ってしまうことが、HSPが人間関係に疲れやすい原因として考えられます。
HSPが人間関係に疲れないための対処法
以下に、HSPが人間関係で疲れないための対処法を挙げました。
実際の行動に移すには難しい事柄ではあるかもしれませんが、頭の隅に入れておくだけでも少し気が楽になるかと思います。
一人の時間が必要であることを伝える
大勢で過ごしている時に疲れを感じた場合には、一人で過ごす時間を意識的に作って心身を落ち着かせることが大切です。
そのためには、周囲に自分の性格や特徴を正直に伝え、一人の時間が必要であることを理解してもらうことが良いかと思います。
もしも、一人になることを周囲が理解してくれず、常に団体行動を強制されるのであれば、そのような場には参加しないのが得策です。
一人になることに気後れや心苦しさを感じることがあるかもしれませんが、基本的には大多数の考えよりも自分自身の気持ちや感覚を尊重すべきかと思います。
気が乗らない誘いや頼み事は断る
断られた人の気持ちを考えてしまいがちなHSPには難しいかもしれませんが、気が乗らない誘いや頼み事はきっぱりと断ることが大切です。
誘いや頼み事に対する返事をあいまいにして先延ばしにすると、後々断りにくくなってしまいます。
そのため、気が乗らない誘いや頼み事を受けた際には、自分がそれらを受け入れた場面を想像し、好ましくないならその場で断ることをおすすめします。
情感の豊かなHSPだからこそ、誘いや頼み事を受け入れた際の損得を冷静に分析し、自分に得のない申し出には応じない決心を持つことも、有効であるかもしれません。
自分に自信を持つ
HSPの存在する割合は5人に1人と言われており、社会においては少数派です。
そのため、疲れやすく傷つきやすいHSPの特徴は、人々に理解されにくい傾向があるかと思います。
このことは、HSPが自分の性格に自信を持てなくなる原因になってしまう可能性があります。
ですが、HSPの疲れやすさや傷つきやすさは、他者に対する気遣いや思いやりと裏表の関係にあります。
自分の持つ性格・特徴の良い面を把握することが出来れば、周囲の意見に振り回されることのない、自信の持てる人付き合いにつながるはずです。
嫌われる勇気を持つことも大事
他者の考えていることを敏感に感じ取ってしまうHSPにとって、人に嫌われるのはとても心苦しいことであるかと思います。
ですが、人々の価値観はそれぞれ異なっており、HSPであるあなたが持つ本来の性格・特徴に共感を覚える人もいれば、それらを受け入れられない人もいます。
誰にも嫌われないように自分の意見や要望を抑えて振る舞うことは、自分の心や体に大きなストレスを与える原因となります。
ありきたりな意見であるかもしれませんが、「人に嫌われても構わない」という心構えを持って人間関係を築くことが、ストレスの少ない人付き合いを実現させる上で大切なのだと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!