HSPが社会で生きづらさを感じる原因の一つには、「HSPに特徴的な思慮深さによって、今ある社会の常識やルールに疑問を持ってしまう」ということが挙げられます。
それと同時に、目立つことをあまり好まないHSPは、社会の常識やルールから極端に脱線することを滅多にしません。
そのため、HSPは「社会の常識やルールに対して疑問を抱きながらも、実生活ではそれらから逸脱した行動を取れない」ことにより、悩みや苦しみを抱えてしまいがちです。
ここでは、HSPが常識やルールに疑問を抱いてしまう原因と、そのことが誇るべきHSPの美点である理由について、解説していきたいと思います。
なぜHSPは常識やルールを疑問に思うのか?
常識とは「世間一般の人が共通して持っているとされる考えや行動様式」のことをいいます。
また、ルールとは「常識に基づいて各個人の行動様式に一定の拘束を課すもの」ということが出来ます。
HSPの割合は全人口の5人に1人と言われており、社会においては少数派に属します。
つまり、世の中の大多数はHSPでない人たちによって占められており、それらの人々に特徴的な考えや行動様式が自然と多数派になっていきます。
そのため、HSPでない人たちの考えや行動様式が、そのまま社会の常識やルールとして定着している場合が多くあります。
もちろん、HSPと非HSPが全く異なる人種であるとは言えませんし、それぞれの中にも考えや行動様式に個人差があります。
ですが、HSPという概念に共感する人が一定数いる以上、HSPと非HSPがそれぞれ異なる考えや行動様式を持つ傾向にあることは確かだと思います。
以上をまとめると、「社会の常識やルールは主にHSPでない人たちの考えや行動様式に沿って形作られており、異なる特性を持つHSPはそれらに疑問を抱きやすい」ということが考えられます。
常識は絶対的なものではない
昔は当たり前に行われていたことが今では全く行われなくなったり、日本の常識が外国では全く通用しないことがあるように、常識は時間や場所ととも変化するものです。
そのため、どんな常識でも時間や場所に応じてうまく機能しなくなり、その社会で生きる人々に息苦しさを与えてしまう可能性があります。
物事の変化に敏感なHSPは、ある社会における常識がでうまく機能していない場合、そのことをいち早く察知することが出来ます。
そして、一度それを察知してしまうと、機能していない社会の常識に疑問を抱いている自分と、それを尊重して行動しようとする自分との間にギャップを感じ、息苦しさを覚えてしまいます。
HSPが社会の常識に感じる息苦しさを緩和させるためには、それが時間や場所に応じて変化するものであり、絶対的・普遍的な真理ではないことを、心にとどめておくことが肝心です。
個人の常識や倫理観を標準化したものがルールである
なぜ、社会に常識やルールが存在するのかというと、それは多くの人が円滑に社会生活を営むためであるといえます。
各人がそれぞれ自分の考えや欲望のみに従って行動していると、人々の統制が効かなくなり、、社会全体が破綻してしまいます。
そのため、社会は常識という形で暗黙的に、そしてルールという形で明文的に、ある程度人々の行動を統制する必要があるのです。
このことは、裏を返せば「世の中の全ての常識やルールは、各個人の考え・欲望・倫理観などとは必ずしも一致しない」ということを意味しています。
そのため、HSPであっても非HSPであっても、常識やルールには少なからず息苦しさを覚えざるを得ません。
そして、HSPの場合は非HSPよりも、自身の考えや倫理観と社会の常識やルールとのギャップが大きく、そのことがHSPが社会で息苦しさを抱えやすい原因となっていると考えられます。
常識やルールに抱く息苦しさはHSPの美点である
以上に述べたことから、HSPは社会の常識やルールに対して、人並み以上に大きな息苦しさを感じてしまうことがわかります。
しかし、形骸化してしまった社会の常識やルールをいち早く捉えることの出来るHSPは、自分の考えや倫理観に自信を持って行動を起こすことが出来れば、ビジネスや政治参加などを通して社会に大きな貢献を果たす存在となることが可能です。
そのため、もしあなたが社会の常識やルールに息苦しさを覚えており、そのことを理由に生きづらさを抱えているとしても、自信を失って悲観する必要はありません。
社会のルールを破って人を傷つけることは許されません。
ですが、疑問や息苦しさを抱いてしまうような常識やルールに対しては、自分の考えや倫理観に自信をもって毅然とした態度で立ち向かうことが、HSPには強く求められているのだと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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