HSPと発達障害の違いは?自閉症スペクトラム障害(ASD)との比較を例に解説します

HSPとは

人間関係で悩みを抱えやすく、光・音・香りなどの刺激に敏感なHSPは、時として同じような特徴を持つ発達障害と混同されることがあります。

ですが、HSPと発達障害は異なるものであり、両者の特徴や社会的な位置付けには違いがあります。

ここでは、HSPと発達障害の違いについて、特に混同されやすい自閉症スペクトラム障害(ASD)との比較とともに解説します。

発達障害とは

発達障害とは、成長の早い段階で脳の機能に通常と異なる点が生じ、精神面・学習面・運動面などの発達がアンバランスになることを指します。

一般的な人と比べて得意なことと苦手なことの差が大きいため、社会生活を送る上で支障をきたす場合があり、そのことで生きづらさを感じてしまうことがあります。

発達障害には様々な種類がありますが、主に以下の3つに大別されます。

・自閉症スペクトラム障害(ASD)
・注意欠陥・多動性障害(ADHD)
・学習障害(LD)

参考:LITALICOジュニア

自閉症スペクトラム障害(ASD)

ASDの症状は中核症状と周辺症状に大別され、中核症状としては以下の2つが挙げられます。

・社会的なコミュニケーションにおける障害
・行動や興味における偏り

男性は女性よりもASDの割合が約4倍多く、遺伝的な影響の大きい発達障害であるとされています。(参考

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

ADHDの主な症状としては、以下の3つが挙げられます。

・不注意(ミスが多く、集中力が続かない)
・多動性(じっとすることが苦手)
・衝動性(思いつくと行動してしまう)

不注意・多動性・衝動性が現れる割合は人によって異なることから、ADHDは「不注意優位」「多動・衝動性優位」「すべての症状が混在」といった傾向に分類されることもあります。

学習障害(LD)

知的な発達に遅れはないものの、「話す」「聞く」「書く」「読む」「計算・推論する」といった能力のうち、いずれかの学習や使用に困難をきたす障害がLDで、以下の3分類があります。

・読字障害(ディスレクシア)
・書字障害(ディスグラフィア)
・算数障害(ディスカリキュア)

学校での学習段階に入るまで症状が認知されにくく、教育の現場でも「努力不足」「勉強不足」として誤解されやすい一面があります。

HSPと発達障害の違い

障害として分類されているかどうか

障害とは、「個人的な原因や社会的な環境により、心や身体上の機能が十分に働かず、活動に制限があること」を指します。(参考

発達障害では、心身の発達におけるアンバランスが社会活動を送る上での制限になると認識されており、制度上は障害として分類されています。

一方、HSPも社会で生きづらさを感じる場面があるものの、その繊細さや敏感さは個人的な特徴であると認識されており、障害としては扱われていません。

HSPの四大特徴である「DOES」とは?

医療機関における取り扱い

発達障害は医学的に認められた概念であり、医療機関における診断や、場合によっては投薬治療を受けることも可能です。

一方、HSPは心理学の分野では認められている概念ではあるものの、医学的に認められた病気や障害ではありません。

そのため、医療機関においてHSPの診断書を作成してもらうことや、症状改善のための治療を受けることは出来ません。

HSPは病気?HSPに症状・治療法・診断書が存在しない理由

遺伝的な影響の大きさ

発達障害の中でもASDは遺伝子による影響が強く、広汎性発達障害(現在はASDとして分類される)における遺伝的な影響の大きさは約90%ともいわれています。(参考

一方、HSPの特徴に対する遺伝的な影響の大きさは約50%で、残りの半分は後天的な影響によるものであるという研究結果があります。(参考

発達障害およびHSPについての遺伝子研究はまだ発展途上な段階にありますが、遺伝的な観点から見た場合にも、両者が異なるものであることを、これまでの研究は示しています。

HSPは遺伝する?私たちの社会に繊細・敏感な人が必要な理由とは

HSPとASDの比較

HSPと最も混同されやすい発達障害として、自閉症スペクトラム障害(ASD)が挙げられます。

HSPとASDとの間には、「人間関係に悩みを抱えやすい」「光・音・香りなどの刺激に敏感」といった共通の特徴が見られる場合があり、このことが両者が混同されやすい原因となっています。

以下で、それぞれの特徴が表れる背景について、HSPとASDの間で比較したいと思います。

人間関係に悩みを抱えやすい

繊細さや敏感さといったHSPの特徴は、競争力や力強さが求められる社会では、好意的に受け止められないことがあります。

そのため、HSPは自己肯定感が低くなりやすく、人付き合いにおいて自信を持ちづらい傾向があります。

また、他者の否定的な気持ちによく感づいてしまうHSPは、周囲の些細な言動や行動に対して、ひどく傷ついてしまうこともあります。

一方、ASDが人間関係に問題を抱えやすい原因としては、周囲との関わりに興味を持たず、他者の気持ちや感情を理解することが難しい点が挙げられます。

そのため、他者の気持ちや感情に敏感なHSPとは、正反対の理由で人間関係に悩みを抱えやすいといえます。

光・音・香りなどの刺激に敏感

HSPもASDも、光・音・香りなどの刺激に敏感な特徴が見受けられます。

ですが、ASDの場合はそれらの刺激に対して敏感に反応するだけでなく、全くの無関心になることもあります。

その理由としては、ASDは複数の情報を同時に処理することが苦手で、外界からの刺激が過多になった場合には、情報をシャットアウトしてしまうことが考えられます。(参考

一方、同時に複数のことをこなすことが苦手なHSPも多くいるかと思いますが、HSPの場合は必要以上の刺激や情報を受け取ってしまうことが主な原因であり、情報の処理を苦手としているわけではないとされています。

おわりに

HSPと発達障害は混同して捉えられることもありますが、その特徴や社会的な位置付けは異なっています。

HSPと似たような特徴を示す発達障害として、自閉症スペクトラム障害(ASD)が挙げられますが、「人間関係に悩みを抱えやすい」「光・音・香りなどの刺激に敏感」といった共通の特徴が見受けるられる背景には、全く異なる原因が潜んでいます。

この記事が、あなたのHSPや発達障害に対する理解の助けになれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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