HSPの提唱者「エイレン・N・アーロン博士」ってどんな人?【職業・経歴・著作】

コラム

エイレン・N・アーロン博士は、心理学の分野で用いられる感覚処理感受性(Sensory-Processing Sensitivity: SPS)という特性が強い傾向にある人々を表す概念として、HSP(Highly Sensitive Person)を言葉を提唱しました。

そして、世界的なベストセラーとなった『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。(原題:The Highly Sensitive Person)』という本を1996年に発表し、HSPという言葉を世界中に広めました。

この記事では、HSPという言葉を提唱し、その考えを世界に広めたエイレン・N・アーロン博士(以下、アーロン博士)について解説したいと思います。

アーロン博士の職業・活動

アーロン博士は、心理学の研究者として講演・執筆活動を行うとともに、アメリカ・カリフォルニア州で心理療法室を開業しています。

ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校(Stony Brook University)の教授で心理学者であるアーサー・アーロン博士と結婚しており、共同で心理学研究も行っています。

現在は、HSPに関する情報発信を、本や学術論文だけでなくブログや映画製作にまで広げて活動しています。(参考:アーロン博士のホームページ

アーロン博士の経歴

アーロン博士はHSPの研究者であるだけでなく、自分自身もHSPであることを明らかにしています。

そして、繊細・敏感であるために生きづらさを抱えてきたことを、自身の著作の中で語っています。

幼少期から小学生時代にかけて、アーロン博士は他の子供たちや騒々しさから避けるように生活しており、時には周囲から無視されてしまうことも経験したそうです。

中学・高校時代は勉強に明け暮れ、アメリカの名門大学であるカリフォルニア大学バークレー校を最優秀成績で卒業しました。

学業面においては華やかに見える大学時代ですが、その時でもなお、アーロン博士は人目を避けて泣くことを繰り返していたそうです。

大学卒業後はカナダ・ヨーク大学の大学院に進学し、修士号を取得したものの、自身の繊細さや敏感さと上手に向き合うことが出来ず、博士号を取らずに大学院での研究をやめてしまいます。

アーロン博士がアメリカ・パシフィカ大学院で心理学の博士号を取得するのは、それから20年以上も後のことになります。

アーロン博士が現在の夫であるアーサー・アーロン博士と結婚したのは23歳の時で、結婚後のアーロン博士は外の世界から遠ざかり、執筆活動と子育てに明け暮れる生活を送っていました。

ですが、それでも外の世界との関りを完全に断ち切って生きることは出来ず、心の動揺に悩んでいたアーロン博士は、心理療法を受けることを決意します。

その心理療法の中で、セラピストはアーロン博士がとても敏感(Highly Sensitive)であることを指摘します。

それをきっかけとして、アーロン博士は自身の敏感さ対して様々な洞察を得ることができ、再び外の世界に踏み出してHSPについての研究活動に従事するようになりました。

以上のように、現在は世界的に有名で社会的な成功も収めているアーロン博士ですが、その人生を通して自身の繊細さや敏感さと向き合い続けてきたことがわかります。

(参考:ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。

アーロン博士の著作(日本語訳されているもの)

アーロン博士はHSPに関する数々の著作を発表していますが、日本語に翻訳されているのは以下の2冊です。

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。

世界的なベストセラーとなり、「HSP」という言葉が世間に認知されるきっかけとなった本です。

HSPについて学ぶ上で欠かせない一冊であるとともに、繊細さ・敏感さに対するアーロン博士の向き合い方や考え方も知ることが出来ます。

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。
著者:エイレン・N・アーロン
出版社:SBクリエイティブ
ページ数:408ページ

ひといちばい敏感な子

感覚処理感受性の強い子供であるHSC(Highly Sensitive Child)について書かれた本です。

繊細・敏感な子供たちの気持ちや行動を理解し、それらを尊重した子育てをするために、子供と関わる全ての人に読んでもらいたい一冊であるといえます。

ひといちばい敏感な子
著者:エイレン・N・アーロン
出版社:1万年堂出版
ページ数:448ページ

おわりに

HSP研究の第一人者としてアーロン博士が世界的な権威となった背景には、アーロン博士自身が繊細さ・敏感さといった特性を原因として、生きづらさを抱えてきた過去があります。

ですが、アーロン博士はそれらから目を背けるのではなく、心理学の観点から自身の特性を公正に捉え、HSPの持つ繊細さ・敏感さが決して欠点でないことを知り、それらを受け入れて生きるに至りました。

HSPの特性をよく理解し、自身の長所を無理なく生かせる場を模索したことが、アーロン博士の人生を大きく好転させたのだろうと思います。

私たちHSPは、アーロン博士の生き方から学べることが多くあるのかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました!