【アドレスホッパー】家を持たない暮らしは人間として自然な生き方なのかもしれない

コラム

近ごろ、特定の家を持たずに住む場所を転々とする「アドレスホッパー」というライフスタイルが広まりつつあります。

現代に生きる私たちの考えでは、特定の家を持たずに住むことは一般的ではないとされていますが、人類の長い歴史を振り返ると、むしろ特定の場所に住み続ける期間の方が短かったことがわかります。

ここでは、現在アドレスホッパーというライフスタイルが人々に受け入れられている背景を、人類の歴史や進化を通して読み解いていきたいと思います。

人類史における定住期間は全期間の30分の1

現生人類とも呼ばれる私たちは、生物学上「ホモ・サピエンス」という種に分類されます。

ホモ・サピエンスとはラテン語で「賢い人間」という意味で、現在地球上に存在する唯一の人類です。

考古学上、ホモ・サピエンスが地球上に誕生したのは約30万年前とされており、頭蓋骨や石器がその証拠として発見されています。

ホモ・サピエンスは、誕生からほとんどの期間を通して特定の家を持たない遊動生活をしており、食べ物は狩猟採集を通してまかなっていました。

ホモ・サピエンスが定住生活を始めたのは約1万年前とされており、人類が農耕を始める以前であると考えられています。

そのきっかけとなったのは、おそらく食糧の獲得や加工において、革新的な技術の進歩があったことであると考えられます。

以上のように、現在私たちが常識だと思っている定住生活は、人類(ホモ・サピエンス)の歴史から見ると、全期間のわずか30分の1に過ぎないのです。

人間の身体は遊動生活に向いている

私たち人間の身体において最も特徴的なことの一つと言えば、直立二足歩行を行う点であるかと思います。

人類の直立二足歩行が始まった理由には諸説ありますが、その中でも有力な仮説の一つとして「直立二足歩行は長距離の移動に適している」というものがあります。

つまり、私たち人類は直立二足歩行を行うことで、長い距離を移動し、各地に点々と存在する食糧を手に入れることが出来たのです。

一方、人類が定住生活開始後に農耕を始めると、同じ姿勢を長時間維持するために腰痛が多く発症するようになったと言われており、これは椅子に長時間座って仕事をすることの多い私たちにとっても、悩みの種となっています。

以上のように、私たちの身体は依然として定住生活よりも遊動生活に適応している点が多く、そのことが家を持たない生き方への志向に対しても、少なからず影響していることが考えられます。

遊動生活は人間関係のストレス解消にも効果的

私たちの生きる現代社会では、都市化やインターネット・SNSの普及などを原因として、人付き合いが過剰になりやすく、人間関係にストレスを抱え込みやすくなっています。

私たち人類の社会において、遊動生活はそのような人間関係のストレスを解消する役割も果たしてきました。

アフリカの熱帯雨林に住む狩猟採集民は、いくつかの家族が集まって出来た「バンド」と呼ばれる共同体を作って生活しています。

バンド内の仲間たちは、一緒に狩猟や宗教儀式などを行うことで、助け合いながら生きています。

しかし、バンドは強固に結合された共同体ではなく、そのメンバーは必要に応じて離合集散を繰り返しています。

このような共同体の在り方は、人間関係におけるストレスの解消に大きく役立っていると考えられています。

つまり、隣人との付き合いに問題を抱えそうになった時、バンドのメンバーは自由に離脱することができ、問題が落ち着いたころにまた戻ってくることが可能なのです。

私たちは一般的に、一つの共同体に所属したらずっとそこに居続けることが普通だと考えがちですが、時にはそれが人間関係の軋轢を生んでしまいます。

現在、私たちが人間関係でストレスを抱えてしまう原因は、定住生活を常識と考えてしまっているからなのかもしれません。

人類の文明は定住生活により発達した

以上で述べたことを考えると、定住生活は人間の摂理に反した悩ましい生き方であると感じてしまうかもしれません。

ですが、定住生活は決して悩みの種などではなく、私たちに高度な文明をもたらしてくれました。

定住によって始まった農耕は、一つの土地で多くの人が一緒に暮らすことを可能にし、そのことは知識の共有・発達や社会の分業化・都市化を促しました。

また、定住生活を行うことで、物質的にも優れた発明・芸術作品・建造物などを作り出すことが可能になりました。

遊動生活を行う社会が文化的に劣っているわけではありませんが、私たちが現在利用することの出来る高度な文明の利器は、定住生活を契機として生み出されたといっても過言ではありません。

また、アドレスホッパーという生き方も、あくまで定住生活によって生み出された文明を利用することで可能となり、狩猟採集民の遊動生活とは異なっていることは、理解する必要があるのかもしれません。

おわりに

現在、アドレスホッパーという生き方が人々に受け入れられている原因として、「移動に適した人間の身体的な特徴」「現代社会における人間関係のストレス」が、人類の歴史・進化を考察することで浮かび上がってきました。

私たちは人類の進化や歴史を通して、人生に対する新たな視点を学びなおすことで、これまでになかった新しいライフスタイルを生み出すことが出来るのかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

【アドレスホッパーと仕事】多拠点生活におすすめの仕事は?フリーランスとしても働ける職業5選

【一人で自由に】資産となるブログの始め方【コツコツ運営】